2009年12月 3日 (木)
田村直子の手仕事展
世界一細い糸
去る11月17日~22日京都・寺町の「ギャラリーTerra」で開催された「田村直子の手仕事展~世界一の手紡ぎ極細ウールレースと植木屋色の手編みニット~」を拝見した。彼女は「10gの原毛からどれだけの長さの糸を紡げるか」という世界大会で、1468.61mの大記録を出して優勝した世界チャンピオン。
直子さんの編み出す、シェットランド・ウールレースの世界に私は異次元を見て、なんだか宙をただようような気がした。
現実の現代の生活とはかけはなれた、物語の世界。絵本の中の美。がさつな私には異空間だが、心地よくてふんわり漂ってしまう、、、といった印象。
彼女は、うちくい展のしつらい(会場設営)をしてくれている田村文雄親方の奥さんである。夜、一杯飲みながら彼女の創作のヒミツを聞いた。
曰く、「彼が収入を全部飲んでしまうので、ウチは貧乏なんです」→「でも、外の仕事で寒いですから、始めは買ってきた糸でセーターを編んでいたんです」→「そのうち、原毛を紡いで、彼の剪定した植木などで染めて編んだらもっとお金をかけずに作れることに気がついたのです」→「紡いでいるうちに、シェッランド・ウールレースの事を知り、本の写真のレース模様を試行錯誤で組み合わせ、より細い糸を紡ぐことに熱中してしまって・・・」という成り行きらしい。
そして、彼女は云うのです。「私には創造的な才能はないけれど、もっと、もっと細い糸を紡いでみたい。複雑なレースを編みこんでみたいという、職人としての意地はあるみたい」
うーん。唸ってしまった。
まず第一に、<ダンナさんの為のセーター>。
仕事用のセーターは、もちろん未脱脂に近い水分をはじく羊毛を細く紡いだ糸できっちり編んであるので、軽い上に雨も入り込まない。手に入るモノに最大限の手間暇をかけて、大事な人を風雨から護ろうとする愛情。これこそ<ギフト>贈り物である。
それは、かつての沖縄で作られていた「ティーサージ」と同じ。
師走ということで、世間は「お歳暮」「クリスマスプレゼント」と、その原点は無視しての歳末商戦に忙しい。消費者よ、ソレに踊らされてお金でカタをつけてイイのかい?!
ホントに大切な人への心をこめた贈り物って・・・ナンなんだろう。
手を動かして作れば、なんでもいいわけではもちろんないし。。。
ま、そんなわけで、ナマケモノの私なぞは ほとんど人にモノを贈るという事が出来ないでいるわけですが。ふふふ。
第二に<職人>ということ。
これについて、書き出すと長くなるので、こちらは後日、また。
photos by くにえ