2010年2月28日 (日)
シチカッツア

染織とは直接関係のない植物ではあるが、私にとってなじみ深い植物がひとつある。シチカッツア。和名だと、イリオモテシャミセンツ"ル、タイワンカニクサというらしい。
西表ではどこにでも自生している、(特にありがたがられている様子もない。)蔓性の植物なのだが、これが大切な役目を託されている。
一年に一回、節祭の年の夜に、家内安全と家族の健康を願って、家の中柱などにこのシチカッツアを巻きつける。(魔除けの意味もある。)
その他にも、車や舟などの乗り物や家財道具などにも巻くのだが、いつからか私は大切な機にも「今年もまた私と共にいい仕事をさせて下さいね。」と、それぞれに巻きつけるようにしている。
いろいろな地域や、民族の中にこういった慣しは今だに沢山あると思うが、人と植物の関係の原点を感じる。
更には、植物の繊維を糸にし、布に織り上げていく時、どれだけの想いが託されてきたのだろうか。
私なんぞ、まだまだ及ばないが、いつも耳を澄ましていられるような織手であるよう、これからも精進していきたいと願う。